親にお金を借りるのは後ろめたい?借りるときに使える言い訳と贈与税について解説

「生活が苦しい」「急な出費がある」といった理由で、借り入れを検討する人は少なくありません。

借入先はいくつもありますが、最初に親から借りられないか考える人もいるでしょう。

親から借りる場合審査や利子がなく、好条件で借り入れできます。

しかし、親から借り入れする後ろめたさや情けなさから、ためらってしまいがちです。

この記事では、親からお金を借りる時に気を付けたいポイントや、メリット・デメリットについて詳しくまとめました。

親から融資を受けたくても、納得でき理由が思いつかない人のために、使える言い訳や理由も紹介しています。

親からの借り入れを検討しているひとはぜひ参考にしてください。

親にお金を借りるのは後ろめたいの?親から借りるときに使える言い訳と避けるべき理由

親からの借り入れについて、「情けない」「恥ずかしくて言い出せない」と感じている人もいるでしょう。

「親にお金を貸してもらうのはあまり良くない」といっ印象もあります。

結論から述べると、親にお金を貸してもらうのは、必ずしも悪いことではありません。

借り入れについて親が納得して、トラブルなく借りられるなら、問題ない行為だと言えるでしょう。

消費者金融や銀行カードローンのように金利が高く、返済が難しい金融機関から借りるより、賢い借入方法です。

事実、親から借り入れしている人は少なくありません。

金額の大小に限らず、親にお金を貸してもらった経験がある人も多いです。

日本貸金業協会の調査では、消費者金融で借りられなかった時の借入先として、20%の人が「親や親族」を選んでいます。

遊びやギャンブル目的なら頼るべきではありませんが、具体的に仕方ない事情があるなら、親からの借り入れも検討していいでしょう。

借りる時だけでなく返済時を考えると、結果的に親から借りた方がトラブルや負担を最小限に抑えられる可能性があります。

親にお金を借りる場合のメリットをチェック

まず、親から借り入れする場合のメリットをチェックしましょう。

後ろめたく感じるかもしれませんが、親からの借り入れは他の借入方法にないメリットが多くあります。

悪いところばかりではなく、いいところにも目を向けて考えてみましょう。

親から借り入れするメリット

  • 低金利または無利子で借りられる
  • 法律での制限なく希望の金額を借りられる
  • 審査なしで借りられる
低金利または無利子で借りられる

親からの借り入れで大きなメリットとなるのが、借入時の利息です。

通常、金融機関から借り入れする場合は返済時に利息を支払わなければなりません。

利息とは、お金の貸し借りを行う際に発生する対価を指します。

借入金に利息を上乗せして返済し、お金を貸した側が利益を得るシステムです。

借り入れした際のお礼金だと思っておくといいでしょう。

消費者金融や銀行カードローンでは、年率15.0~18.0%程度を上限に利息の支払いを求めています。

10万円を1ヶ月借りた場合、15,000円~18,000円分の利息を上乗せして返済するイメージです。

カードローンは迅速に借り入れできる便利なサービスですが、金利が高く設定されている傾向です。

長期間、または高額融資を受けると、利息が膨らんで返済しきれないトラブルに陥る可能性があります。

親から借り入れすると、金融機関のように高すぎる利息を設定する場合はほとんどありません。

利息を支払うとしても1.0%前後の低金利か、無利子で借りられます。

返済時の負担をできる限り減らした状態で借りられるのは大きなメリットでしょう。

法律での制限なく希望の金額を借りられる

貸金業者から借り入れする場合、総量規制が適応されます。

総量規制とは、借り入れできる金額を年収の3分の1までとする貸金業法の一部です。

100万円借りたい人は、最低でも年収300万円以上必要。

総量規制があるために、希望の金額を借りられなかった人も少なくありません。

親から借りる場合、総量規制を守る必要はありません。

年収に限らず借りられるので、親が許すなら数百万円~数千万円単位での借り入れも可能でしょう。

審査なしで借りられる

カードローンを利用する場合、融資前に必ず審査があります。

審査に通過できず、借り入れできない人もいるので、審査なしでの借入方法を探している人も多いです。

親から借りるなら、借り入れ前の審査は当然ありません。

親本人から「使い道は問題ないか、返済しきれる金額か」といった内容を確認される程度です。

他の金融機関で借りられなかった人も、親なら貸してくれるかもしれません。

審査通過できるか怪しい人は、下手に金融機関へ申し込むより、親に相談した方が早い場合もあります。

親にお金を借りるときメリットは多いがデメリットもあるので理解しておく

親からの借り入れはメリットの多い借入方法ですが、デメリットもあります。

ここから紹介するデメリットが原因で、親に相談するのをためらっている人も多いでしょう。

気軽に相談する前に、まずはどのようなデメリットがあるのかしっかり理解しておいてください。

親から借り入れするデメリット

  • 親に負担をかけてしまう
  • 親子間の仲が悪くなる可能性もある
  • 親にお金を借りた後ろめたさや罪悪感がある
親に負担をかけてしまう

親から融資を受ける場合、その資金源は親の生活費や貯蓄です。

あなたが親からお金を借りると、親の経済状況を圧迫してしまう可能性もあるでしょう。

貯蓄がたくさんあり、生活に影響を与えないならいいですが、借り入れたせいで親に大きな負担をかける場合があります。

特に、数十万円~数百万円といった高額融資を希望する人は注意が必要です。

借り入れの相談をする前に、親の経済状況を理科しておく必要があります。

あくまで親に負担をかけすぎない範囲内での融資となるよう、細心の注意を払ってください。

親の経済状況では希望金額を融資できない場合、他の借入方法を検討しなければならないかもしれません。

親子間の仲が悪くなる可能性もある

「お金の切れ目は縁の切れ目」という言葉もあるほど、お金にまつわるトラブルは人間関係を壊しやすいです。

友人同士だけではなく、親との関係にも大きく影響する場合があります。

返済を滞らせたり、何度も借り入れを重ねたりすると、たとえ親子間でも信頼が失われていく一方です。

親のお金も無尽蔵ではなく、もちろん生活があります。

不義理な対応を続けていると、大きなトラブルに発展する可能性もあります。

親子関係を悪化させたくなければ、信頼を失わないよう心がけてください。

親にお金を借りた後ろめたさや罪悪感がある

親からお金を借りると、後ろめたさや罪悪感を抱えてしまう人も少なくありません。

親と同居している人は顔を合わせるたびに「返済しなければ」とストレスを感じてしまうでしょう。

離れて暮らしている人も、お盆や正月と言ったタイミングで顔を合わせる時、気まずくなってしまうかもしれません。

関係が悪くなるまではいかなくても、ぎこちない関係が続く可能性もあります。

親が納得すれば借りられる?親からお金を借りる時に使える理由

親からの借り入れを検討している場合、借り入れできるかどうかは「親が納得するか」にかかっています。

親が貸し付けに値しないと判断したら、いくらお願いしても借りられません。

できるだけ融資を受けられるよう、納得してもらいやすい借り入れの理由をご紹介します。

借り入れしたい人の年齢や属性別にまとめたので、自分に当てはまる内容を試してみてください。

中学生や高校生でお金を借りたいなら素直に理由を話して理解してもらおう

中学生や高校生がお金を借りたい場合、意識すべきポイントは以下の通りです。

  • なぜ借りたいか素直に説明する
  • 借りる代わりに何をするか提示する

借り入れの理由についてですが、中高生の場合は「なぜ借りたいか」を素直に説明しましょう。

お金の使い道が遊びや買い物でも、嘘をついたりごまかさず本当の理由を伝えてください。

中高生は大学生や社会人と違い、自分でお金を稼げない人も多いです。

自分の努力次第で解決できないため、下手に嘘を付くより素直に話した方が好印象でしょう。

中高生は、どうしてもお金の使い道が限られてしまいます。

「文房具が足りない」「もっと勉強したいから本が欲しい」といった嘘をついても、普段の生活態度からバレてしまいやすいです。

また、借り入れする代わりに何を頑張るか、具体的に提示すると納得してもらえる確率が上がります。

中高生の本分は勉強なので、勉強や日頃の生活に絡めた内容を提示するといいでしょう。

具体的な例は以下の通りです。

  • 今度のテストで学年◯位を目指す
  • 今度のテストで◯点以上取る
  • 内申点を上げる
  • 家庭内のお手伝いを増やす

実際に頑張って結果を残せば、遊んでいるだけではない、無駄遣いではなかったと納得してもらいやすいです。

頑張る内容は、必要以上に高い目標にしないのもポイント。

達成できない内容を掲げてしまうと、結果を残せなかった時に「口だけで何もしなかった」と言われてしまいます。

今後同じような目的で貸してもらえなくなるかもしれないので、達成できるレベルの目標にしておきましょう。

大学生が親に融資をお願いするなら勉強や就活に絡めた理由を話すのがおすすめ

大学生が親に融資をお願いするなら、勉強や就活に関わる理由が効果的です。

大学生が使える具体的な借入理由は以下の通り。

  • 教材費が足りない
  • サークル活動で活動資金が必要
  • 研究費用が不足している
  • 就活のためにスーツを買いたい
  • 遠方の説明会に行きたいので、交通費が欲しい

あくまで遊んでいるわけではなく、学生としての本分をまっとうしていると理解してもらうのが大切です。

実際、大学生は遊ばずに過ごしたとしても教材費や参考資料の書籍といった出費で、金欠になりやすいです。

バイトをしていても限界があり、実習がある学部はバイトできない時期もあります。

勉強に関係する内容で、融資が常習化していないなら応じてもらえるでしょう。

また、一人暮らしでどうしても生活費が不足する場合は、素直に伝えてみてください。

小言を言われるかもしれませんが、「生活がかかっているなら」と融資してくれる可能性があります。

お金の使い方を見直すいい機会にもなるので、素直に話してみてください。

社会人は借入の緊急性や重要性を理解してもらう

社会人は学生と違い、自分で生活していける程度の稼ぎがあります。

問題なく生活できる程度の収入を得ながら、なぜお金が足りないかを理解してもらわなければなりません。

社会人が親から借り入れするなら、出費の緊急性と重要性を訴えましょう。

社会人が使える借入理由は以下の通りです。

  • 車の車検費用
  • 冠婚葬祭(友人の結婚式)が重なった
  • 車や家を買いたいので、頭金が必要
  • 金融機関から借りているお金を返済したい
  • 子どもの入学資金、学費が必要
  • 仕事を辞めたので生活費が不足している

社会人が親に融資をお願いする場合、「仕方ない」と感じてもらえる内容だと納得してもらいやすいです。

車検や冠婚葬祭は、事前に用意しておけますが重なってしまうと急に多額の出費となります。

必ずお金を払わなければならない用事なので、理解を得やすいでしょう。

子どもの教育費や子育てに関する費用も同様です。

ローンを組んで家や車を購入する場合も、頭金としてまとまったお金を支払わなければなりません。

数十万円~100万円以上の出費となるので、事情を説明してみましょう。

思わぬタイミングでバレやすいので嘘はつかない

親に嘘をついて借り入れするのはあまりおすすめできません。

思わぬタイミングで、嘘をついているとバレてしまう可能性が高いからです。

親からの借り入れは、会社を通した契約ではありません。

あくまで個人間融資となるので、借り入れやその理由について、黙っていてほしいと伝えても確証はありません。

家族が勘付いてバレたり、人づてに噂が広まってバレたりする可能性もあります。

特に配偶者がいる場合、お金の使い方が変わるとすぐに気付かれます。

嘘をついてまで借りたい状態にあると思われると、今後の関係が変化してしまうでしょう。

余計なトラブルを招かないためにも、できる限り嘘をつかずに相談してください。

親にお金を借りる時使うべきでない借入理由

親から借り入れしたい理由は人それぞれです。

先ほど紹介した緊急性の高い目的だけでなく、娯楽目的の人も少なくないでしょう。

しかし、緊急性のない理由だと貸してくれない可能性があります。

具体的に、以下の理由は親に借り入れをお願いする際に使うべきではありません。

  • ギャンブル目的
  • 飲み代、遊び代
  • 株、FX、仮想通貨といった投資目的

緊急性がなくすぐに消費してしまいそうな目的では、難色を示されてしまうでしょう。

それだけでなく、計画的にお金を使えないとみなされ、信用を失ってしまいます。

本当に緊急的な理由で借りたくても、対応してもらえなくなるかもしれません。

また、仮に貸してくれたとしても、今後借り癖がついてしまう可能性もあります。

自分で稼いだお金以上の浪費癖が付き、親から借りられなくなったら友人、親戚と借入先を増やす人もいます。

親だけでなく、親戚や友人からも距離を置かれてしまうので、借り癖が付かないよう気を付けてください。

親からお金を借りる時は贈与税がかかる可能性もあるので注意する

親子間の借り入れで注意しなければならないのは、贈与税の発生です。

親から借り入れする場合、借り方によっては「贈与」とみなされる場合があります。

多額のお金が動き、一定期間返済されないと「貸し付けではなく譲渡した」と判断され、贈与扱いとなってしまいます。

贈与とみなされると、贈与税を支払わなければなりません。

贈与税とは、個人からお金や家屋といった財産をもらった時に支払う税金です。

贈与税は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に譲り受けた財産の総額が、110万円以上になった時に発生します。

贈与税は自動的に差し引かれるものではなく、財産を譲り受けた人が税務署に申告し、自分で納税しなければなりません。

贈与税について知らずそのままにしておくと、本来の贈与税に15~20%割増した税金を支払う必要があります。

親から融資を受けるときは、税務署から「贈与ではない」と判断してもらえるよう対策しなければなりません。

親子間の貸し借りなので気を抜いてしまいがちですが、実際にお金を動かす前に必ず確認しておきましょう。

親からの借入が贈与としてみなされてしまうケース

親から子どもにお金が動いただけでは、贈与と判断されません。

いくつかの条件に当てはまると、贈与として扱われてしまう可能性があります。

一例として、親子間の融資が贈与とみなされてしまうケースは以下の通りです。

  • 借り入れに関する契約書がない
  • 利子がなく贈与と誤解されやすい
  • 返済期限が決められていない
  • 返済が難しいレベルの高額融資
借り入れに関する契約書がない

個人間でお金の貸し借りをする時、借用書の作成が推奨されています。

借用書とは、お金の貸し借りがあった事実を証明する契約書に近い書類です。

借用書があると、親子間で多額のお金が動いても、「貸し付けであり、贈与ではない」と証明できます。

逆に借用書がない融資では、贈与ではない旨を証明できる書類がなく、税務署に納税を求められたら対抗する手段がありません。

利子がなく贈与と誤解されやすい

「返済が負担にならないように」と無利子で貸してくれる親もいるでしょう。

しかし、利子がない貸し付けは贈与であると誤解されやすいです。

お金を贈与する際、当然ですが利子は発生しません。

贈与であり、返済する必要がないからです。

つまり1%でも利子がついていれば、「利子と合わせて返済する必要があるお金」と判断してもらえるでしょう。

返済期限が決められていない

返済期限が決められていない貸し付けは、具体的な返済目処が立っていない状態です。

「この日までに返す」という約束がないと、長期間返済しなくても、約束上は問題ありません。

しかし、長期間返済しないお金は贈与だと判断されてしまいます。

返済期限が決められていれば、返済意思のある貸し付けであると証明しやすいです。

明確に期限が決められていない貸し付けは返済意思がないと判断されやすいので、注意しましょう。

返済が難しいレベルの高額融資

先程、親から借り入れする場合は限度額が決められていないとご紹介しました。

極端に言えば、収入がない人でも親に資金力があれば、数千万円~数億円でも借入可能です。

しかし、明らかに返済しきれない金額の融資は贈与と判断されてしまいます。

返済意思がありつつ、現実的に不可能な場合も同様です。

いくらでも借りられるとは言え、必要以上の借り入れには注意しましょう。

贈与税が発生しない非課税の貸付もある

親からの借入時は気を付けなければ贈与税がかかってしまうものの、すべての贈与で発生するわけではありません。

中には、贈与税が免除される、または非課税の贈与があります。

非課税の贈与に該当する場合、同じ目的であれば貸し付けでも贈与税の支払いは必要ありません。

資金使途によって課税の有無が変わってしまうので、どの目的なら非課税なのか、事前に確認しておきましょう。

非課税となる対象

  • 年間110万円以下の贈与
  • 住宅やマンションの購入
  • 30歳までの子どもに向けた生活費、教育費
  • 結婚式や子育て資金
  • 学費、教育費
  • 債務超過している時の肩代わり

1年間の贈与が110万円以下なら非課税となる

先程も説明した通り、贈与総額が年間110万円以下であれば贈与税がかかりません。

贈与税には基礎控除額があり、1年間に譲り受けた総額が基礎控除額以下の場合、課税されないシステムです。

基礎控除額は110万円なので、110万円以下の贈与であれば控除されるため、課税されません。

110万円以上贈与された場合、贈与総額から110万円を控除した金額に対し、贈与税が発生します。

贈与税の算出方法

【1年間に贈与された総額】-【基礎控除額(110万円)】=課税対象

  1. 1年間に贈与された総額が50万円の場合

→50万円-110万円=0円 → 課税なし

  1. 1年間に贈与された総額が200万円の場合

→200万円-110万円=90万円 → 90万円分の課税

つまり、贈与税を支払いたくない人は、年間の贈与または借り入れを110万円以下に抑えましょう。

一括融資でなくてもいいなら、110万円以下の金額を数年に分けて借り入れてください。

住宅やマンションの購入なら最大3,000万円まで非課税

家を新しく建てる、購入する目的の資金を「住宅取得等資金」と言います。

親、または祖父母から住宅取得等資金を贈与してもらう場合、一定金額まで非課税となる措置が取られています。
住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置

非課税となる金額は以下の通りです。

契約年 質の高い住宅 それ以外の住宅
平成28年1月~平成31年3月 × ×
平成31年4月~令和2年3月 3,000万円 2,500万円
令和2年4月~令和3年12月 1,500万円 1,000万円

家を建てるか購入する目的で親から借り入れする場合、贈与税がかからないケースも多いです。

住宅取得を目的に融資を希望する人は、念のため上記の金額以下になるよう融資を受けましょう。

ただし、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置は利用条件が厳しく決められています。

親から融資を受ける前に、条件を確認しておきましょう。

30歳までの子どもに対しては生活費や教育費が非課税となる

生活費や教育に関するお金を一括贈与する場合も、1,500万円まで非課税となります。
教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置

非課税となるのは、前年度の年収が1,000万円以下、0歳~30歳までの子どもです。

30歳まで非課税となるので、30歳以下の社会人であっても贈与税を支払う必要がありません。

資金使途は生活費や教育費と定められていますが、基本は学校または教育に関わる用途のみです。

ただし、少しでも教育に関われば利用できます。

学費だけでなく、教材費、習い事の資金、通学定期券代としても利用可能です。

教育に関する諸費用を非課税で借りられるため、お金に困っている子育て世帯にはありがたい制度でしょう。

ただし、30歳を過ぎると課税対象となります。

借りたお金は30歳までに使い切る、または返済しておきましょう。

結婚式や子育て費用も贈与税がかからない

結婚や子育てをしやすい環境づくりのため、結婚または子育て目的で使うお金の贈与も、一定金額まで非課税です。

非課税となる金額は1,000万円まで、そのうち結婚資金は300万円までです。

親から結婚式用のお金を借りる予定の人は、300万円までに抑えておくのが無難でしょう。

具体的に非課税となる資金使途は以下の通りです。

分類 具体的な資金使途
婚礼 会場代、衣装代、飲食代、引き出物代、写真・映像代、演出代、装飾代、ペー
パーアイテム、人件費など、挙式や披露宴の開催に必要な費用
家賃等 賃料、敷金、共益費、礼金、仲介手数料、契約更新料など、結婚を機に受贈
者が新たに物件を賃借する際に要する費用
引越し 結婚を機に受贈者が新たな物件に転居するための引越し費用
妊 娠 人工授精など不妊治療・医薬品(処方箋に基づくものに限る。)に要する費用
出産 分べん費、入院費、検査・薬剤料、処置・手当料、その他出産のための入院
から退院までに要する費用。出産に起因する疾患の治療・医薬品(処方箋に
基づくものに限る。)、産婦健診に要する費用、産後ケアに要する費用
子育て 受贈者の子の治療、予防接種、乳幼児健診、医薬品(処方箋に基づくものに
限る。)に要する費用
受贈者の子の入園料、保育料、施設設備費、入園のための試験に係る検定
料、在園証明その他記録に係る証明に係る手数料、行事への参加に要する
費用、食事の提供に要する費用、その他育児に伴って必要な費用

非常に幅広い資金使途で非課税となるため、結婚や出産を予定している人は事前にチェックしておきましょう。

債務超過している時の肩代わりは贈与税を免除してもらえる

金融機関からの借り入れを親に肩代わりしてもらうときも、場合によっては贈与税が非課税となります。

本来返済する予定だった債務者が、明らかに返済できない状態にあると認められた場合は贈与税がかかりません。

返済できない状態とは、具体的に以下の通りです。

  • 複数社から借り入れている多重債務状態
  • 多額の借り入れがあるのに預金残高がない
  • 収支が逆転している

多重債務にも関わらず、返済するお金がない人の親が肩代わりする時は贈与税が免除されます。

借り入れがかさんでおり、返済のために親から借りる予定の人は、贈与税がかからないと覚えておきましょう。

贈与税が発生しないための対策方法

ここまで、仮に贈与税の対象となった際、非課税になるケースをご紹介しました。

そもそも親に融資してもらうのは「借り入れ」であって「贈与」ではありません。

税務署に贈与だと判断されなければ支払う必要もないです。

ここからは、親から借り入れする際に贈与税を払わなくてもいいよう、事前にできる対策方法をご紹介します。

いずれの方法も難しくなく、誰でも対応できる内容です。

あとになって贈与税を徴収されないためにも、事前にチェックしておきましょう。

親子間の融資でも1%以上の利子を付ける

最も簡単な対策方法は、親子間の貸し借りでも利子を付ける方法です。

先程も説明した通り、利子がついていれば貸し付けと認められます。

「利息を支払わなくてもいい」と言われていても、贈与税対策のために利息をつけておきましょう。

お金を貸し借りする際の利率は、個人で自由に決められます。

1%でも利子がついていれば、利息ありの貸し付けと判断されます。

利息1%なら、10万円の借り入れで1,000円のみ利子を支払えばOKです。

お互いの負担を減らすためにも、利息はできるだけ低く設定しておくといいでしょう。

借用書を作って契約書として残しておく

大げさに感じてしまうかもしれませんが、親から借り入れする場合でも借用書を作っておくといいでしょう。

借用書は、金銭の貸し借りがあったと証明する書類です。

借用書があるだけで、「このお金は贈与ではなく貸し付けです」と証明できます。

返済時期が遅れたり、利子を付けたりしなくても貸し付けと認められる可能性が高いです。

借用書に記載する内容は主に以下の通り。

  • 書類を作った日付
  • 書類の題名
  • 金銭の貸し借りがあった旨を表す文章
  • 借り入れた金額
  • 返済時期、返済方法
  • 利子
  • 貸し付ける人(親)の名前
  • 借り入れする人(自分)の名前、住所、印鑑

借用書の書式は特に決められていません。

必要事項が書かれており、収入印紙が貼ってあれば効力があります。

作成自体は15分ほどでできるので、親からの借り入れが決まったら話し合って作成してください。

返済は銀行振込で行い履歴を残しておく

親から借りたお金の返済は、できるだけ銀行振込で返済しましょう。

銀行振込で返済すると、あなたから親にお金を送金した履歴が残ります。

贈与を疑われて税務署から連絡が来た時に、銀行の取引履歴を見せれば「返済しているので贈与ではない」と証明可能です。

手渡しで返済すると、返済した証拠が残りません。

贈与税の支払対象となってしまう可能性があるので、できるだけ履歴が残る方法で返済してください。

特に、すぐに顔を合わせられる距離に住んでいる人は注意が必要です。

親からお金を借りられなかった時の対処法

親からお金を借りられず、どうしてもお金が必要な人は次の借入先を検討しましょう。

なるべく早く融資を受けたいなら、消費者金融か銀行カードローンがおすすめです。

カードローンは年率15.0~18.0%の利子が付いてしまうものの、非常に便利に利用できる借入方法です。

審査に通過すれば、自由に使えるお金をまとまって借り入れできます。

限度額の範囲内であれば何度でも借りられるので、お金に困ったタイミングで任意の利用が可能です。

親に貸してもらえなかったからと言って、すぐに親戚や友人を頼るのはやめましょう。

お金に困っており、手当り次第声をかけていると思われると、信用を失いかねません。

急いでいるならなおさら、一旦必要な分だけ消費者金融で借り入れましょう。